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 世界スポーツ支援開発機構 OASIS ジャパン

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ジンバブエ野球協会

ジンバブエ野球協会は、日本野球機構と同様に、international Baseball Federation(世界野球協会)の傘下に属し、ジンバブエで唯一の野球競技を管轄する政府公式機関。かつて日本から野球指導者として、青年海外協力隊が派遣されていた。しかし2000年から深刻な経済危機とハイパーインフレに見舞われ、協力隊も一時撤退を余儀なくされた。ジンバブエのハイパーインフレが終焉し、社会全体が落ち着きを見せ始めたのが2008年。日本では2009年9月に自民党から民主党に政権交代。これによる「仕分け」で、ジンバブエへ野球指導者を派遣する予算がカット。ジンバブエで野球を続けていた人たちは、ハシゴを外された状態になってしまったのだ。そんな苦難を乗り越え、ジンバブエ野球協会は、ハイパーインフレ後の2008年から活動を活発化。全国の中学校と高校に野球指導を開始したのだ。

ジンバブエのHIV / AIDS

1998年にはジンバブエ国内のHIV感染者は全国民の25%以上になり、世界でも最もHIV感染率の高い国であった。2008年当時は、感染者率は20%を下回ったものの、感染者率が下がった主な理由は、感染者が死亡したこと。「毎年8万人がAIDSで死亡し、2万人が新たに感染する」というサイクルを繰り返した結果であり、感染率が下がったことを喜べる状況ではなかった。
現在のHIV感染経路は、性交渉などによるものと、母親から子どもへ「母子感染」の比率が高くなっている。母親がHIV感染者であると、母乳を介して乳児を感染させてしまうのだ。つまりHIVに感染していてもその自覚が無い子どもが存在している。検査を受けてやっと自分が感染しているか否かが判明する。この母子感染による子どもたちが、「思春期を迎える前に、正確な知識を伝える必要がある」。とジンバブエ野球協会会長のマンディショナ・ムタサ氏は考えるようになったのだ。

野球とHIVを一緒に教える

ジンバブエ野球協会会長のマンディショナ・ムタサ氏は、全国の中学校と高校をまわり野球指導を行うと同時に、HIV指導を開始した。その内容は、ディスカッション形式。「あなたの友人からHIV感染者だと告白されたらどうしますか?」という状況設定に対する各自の行動を話し合う。「逃げる」という子どもも、「友人を続ける」という子どももいる。
このようなディスカッションを通して、
・HIVに感染しない方法を正確に学ぶこと
・HIV感染者への差別を無くすこと
・AIDSは悪魔の病気では無いこと
・HIV感染からAIDSを発症して死に至るまで、病気を正確に理解すること
を中心に活動を続けている。
2012年は100を超す学校を訪問し、2000人以上の子どもたちに野球とHIV / AIDS教育を実施した。

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zimbabwe_map.jpgジンバブエのHIV / AIDS

アフリカ南部に位置する、ジンバブエ共和国(以下ジンバブエ)では、15歳以上49歳以下の成人男女において14.3%の人がHIVに感染している(UNAIDS)。人口1250万人のうち15歳以上の成人は120万人、15歳以下の子どもが40万人感染している。子どもの感染者40万人は、その多くが母子感染によるものであり、感染者本人がその自覚が無いために第三者へ感染させる危険性が高い。2009年の報告書によると、HIVに感染した大人と共に生活している子どもは118万人。この118万人は生活の中で起こる些細な出来事で感染する危険に直面しているのだ。
 ジンバブエで1年間にAIDSで死亡する人は8万3000人。単純計算で毎日227人がAIDSで命を落としている国だ(UNAIDS)。それでもジンバブエはHIV/AIDSに関して世界最悪の状況では無い。HIV感染者率で比較すると、スワジランド25.9%、ボツワナ25.0%、レソト23.4%、南アフリカ17.8%、そしてジンバブエの14.3%となっている(UNAIDS)。ジンバブエのHIV感染者率は低下傾向にある。2001年には23.7%まであったものが、2005年に18.4%、そして2009年の調査では14.3%になった。感染者減少の主な要因は、感染者の死亡によるものである。毎年8万人が死亡し、2万人程度が新規感染者となっている。このサイクルが数年続いた為に、感染者率が低下してきているのだ。ジンバブエに最新医療施設を整えた高度先端医療を施せる病院が充足していれば、年間8万人もの死亡者を出すこと回避出来るだろう。HIVのための抗ウイルス剤が全てのHIV感染者に行き渡っていれば、死亡者を減少させることは可能だ。医療が不十分だから、AIDSによる死亡者が多いから、感染者率が低下しているのだ。HIV感染者率が下がったことを、喜ぶことは決して出来ない現実がそこには存在しているである。

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 ジンバブエのHIVAIDS教育だけでは不十分だと考えた、ジンバブエ野球協会の代表者のマンディ氏は、HIV/AIDS教育を2008年に開始した。ジンバブエ野球協会は学校からの野球指導の要請を受けて、各地の小学校から高校まで出向き野球教室を行なっている。野球教室を依頼した学校長は「私達の国の子どもたちは可能性に満ちています。サッカーやクリケットは盛んですが、野球に才能のある子どもいるに違いない。私達教育者が野球を指導出来ないから、という理由でその可能性の目を摘んでしまってはいけないのです。この国が再興するためには、子どもたちに良い教育を行い、たくさんの機会を与えることです。ですから私達の学校でも野球協会の協力を得て、野球を教える機会を作ることが出来ました。私達同様多くの学校が野球協会に指導に来て欲しいと考えています」(2)と教育上必要な事項として野球を評価している。
 しかしながら、ジンバブエに於いて野球を行うことは想像以上に困難を極める。野球用品を購入することが出来ないのである。消耗品のボールですら国内のスポーツ用品店では取り扱いが無く、アメリカなどから個人輸入をせざるを得ない。バットは材木を削り加工できてもグローブは作ることが出来ない。それでも、多くの学校は野球教室の実施を協会に依頼してくるのである。
 野球教室とHIV/AIDS啓蒙を同時に行うことに、果たして効果はあるのだろうか。HIV/AIDSの啓蒙そのものを行うことに意義があり、野球教室は集客機能を果たしているのだろうか。HIV/AIDSの教育は繰り返し行わなければ効果を発揮しない(3)という研究や、HIV/AIDSに関連した教育を受けた若者は、本人だけでなく周囲に教育によって得た知識を伝播させる傾向がある(4)、という研究も存在する。第三者的に見ると、ジンバブエ野球協会の行なっているHIV/AIDS教育は無駄になっているとは考えにくい。そこにはスポーツが持つ、独特の力がHIV/ AIDSの教育効果を高めているのではないかと考えられている。


(2) Zimbabwe Baseball Association president MTASA Mandishona 2012年8月6日 インタビュー
(3) Nazeema Ahmed1, Alan J. Flisher, Catherine Mathews, Shahieda Jansen, Wanjiru Mukoma, and Herman Schaalma5 Health Educ. Res. ; Process evaluation of the teacher training for an AIDS prevention programme (2006) 21 (5): 621-632.
(4) Aggleton P, Crewe M : Effects and effectiveness in sex and relationships education ; Sex Educ 2005; 5:303-6.


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